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   脂 質 

 📗 元テキスト  👨‍🎓⁉ 食育クイズ  🌏 目次 (TOP)

   

 

 はじめに

 

7脂質は、1gあたり約9kcalと高効率なエネルギー源であり、細胞膜やホルモンの材料、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収促進、体温保持や内臓保護に欠かせない栄養素です。不足すると、疲労感、体力・免疫力の低下、肌の乾燥やホルモンバランスの乱れを引き起こします。
一方、脂質の摂り過ぎは、肥満、脂質異常症、動脈硬化、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病を引き起こすリスクを高めます。

 

 

1.脂質の役割と種類

 

🔶 現代の日本人の食生活において、脂質(≒油)の過剰摂取が肥満や動脈硬化などを招くとして問題視され、脂質のイメージは良くありません。

脂質は、肥満をはじめ、生活習慣病を招くリスク因子ですが、極端に減らすのは危険で、又、最近では、医学的見地より、体に良い脂質を含む油であれば、むしろ積極的に摂るべきとの認識も広がっています。
一般的な現代人の食生活において、脂質(≒油)を正しく理解して摂取することが、健康的な食生活を送る鍵を握っているとも言われます。

 

🔶  人が生きるためのエネルギー源としては、体内では、まず炭水化物が使われ、足りない時に脂質(中性脂肪)が使われます。
脂質は、1g当りのカロリーが一番高く効率の良い貯蔵エネルギーです。(脂質:9kcal/g・糖質・タンパク質:4kcal/g)

そして、脂質は細胞膜やホルモンの材料や脂溶性ビタミンの吸収を促進する重要な役割もあります。

さらに、脂質を構成する脂肪酸やコレステロールの役割や特性の解明が進んでおり、それを理解した上で、自分に照らし合わせ、毎日の食事でバランスを取ることが大切です。

 

🔶  脂質は、大きく 「中性脂肪」「脂肪酸」「コレステロール」「リン脂質」に分かれます。

食品に含まれる脂質の約90%は中性脂肪で中性脂肪は脂肪酸から構成されています。

 

🔶  食事で摂った脂質(≒中性脂肪)は、分解されて脂肪酸となり、エネルギー源や組織の材料として使われた後、 余ったものは、再度 中性脂肪(体脂肪)として合成され、体内に蓄積されます。
中性脂肪は余った糖質からも作られ、脂肪と炭水化物の過剰摂取は肥満の原因となります。

➊ 脂質 ➋ 貯蔵脂質 ➌ 中性脂肪 ➍ 遊離脂肪酸 ➎ 構造脂質 ➏ コレステロール ➐ リン脂質

 

 

 「脂質」「脂肪」「脂肪酸」の意味

7

 

3つの用語はしばしば混同されがちですが、それぞれが異なる概念を表しています。

 

🟨 脂質
食事から摂取される広範な栄養素群を指し、三大栄養素の一つであり、エネルギー源、細胞の構築要素、さらにはホルモン生成の基盤となる
重要な役割を果たしています。

 

🟨 脂肪
脂質が体内でストックされた形態を指し、体内のエネルギー貯蔵庫となります。
皮下や内臓に蓄えられ、必要に応じて利用されます。

 

🟨 脂肪酸
脂質の主な構成要素(約90%)で、種類によって働きが異なります。

って、ビタミンB6の必要量も増加します。


 怖い脂質異常症 (旧:高脂血症)
7

 

🟨 血液中の中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)の値が高い、又は、善玉コレステロール(HDL)の値が低い状態が脂質異常症と呼ばれます。
その結果として、いわゆる 「血液がドロドロ状態」になっています。

血液中の余分な脂質が多くなると、それが血管の内側にたまって血管が細く、目詰まりして、自覚症状がないまま動脈硬化となり、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす…このためサイレントキラーと言われます。

🟨 特に、高血圧の人が脂質異常症になると動脈硬化の進行スピードが加速し、危険です。
又、糖尿病の人は、中性脂肪が体内で利用されにくく、中性脂肪が増えて、脂質異常症になりやすくなっています。
中性脂肪やコレステロール、脂肪酸が体の中でどのように働くのか、正しい知識を持った上で、脂質の過剰摂取を抑えながら、おいしい食事をすることが大切です。

🟨 脂質異常症には、自覚症状はほとんどありません。そのため気づくのが遅れ、ある日突然心筋梗塞などの発作におそわれる人が少なくありません。
発作を防ぐには、毎日の生活(食事や運動)に気をつけることと、健康診断などで「脂質異常症の疑いがある」といわれたときは、放置せずに早めに受診して医師の指導を受けることが大切です。

中性脂肪は余った糖質からも作られ、脂肪と炭水化物の過剰摂取は肥満の原因となります。

ドロドロ       サラサラ

 

 

2.脂肪酸の種類と特徴

 

🔶 脂質は水に溶けない生体成分の「総称」であり、脂肪酸はその脂質を構成する「主要な要素(成分)」です。脂質は脂肪酸が結合してできた中性脂肪やコレステロールなどを含み、脂肪酸はさらに飽和・不飽和などの種類に分類され、体内の機能やエネルギー源としての役割が異なります。

脂肪酸の種類とそれぞれの特徴を知ることが、健康的な食生活の鍵を握ります。

脂肪酸脂肪酸は「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」「トランス脂肪酸」の3つに大きく分かれます。

【脂肪酸の分類】

➊ 不飽和脂肪酸 ➋ トランス脂肪酸 ➌ 飽和脂肪酸 ➍ 多価不飽和脂肪酸 ➎ オメガ3系 ➏ オネガ6系 ➐ α-リノレン酸 ➑ EPA ➒ DHA ➓ リノール酸 ⓫ アラキドン酸 ⓬ 一価不飽和脂肪酸 ⓭ オメガ9系 ⓮ オレイン酸   
 

どの脂肪酸も人間が生命を維持していくために必要不可欠なもの。
しかし、俺たち現代人の食生活は、洋風化や肉食の拡大によって脂質(≒油脂≒脂肪酸)の摂り方が変化し、本来あるべき脂肪酸の摂取バランス
が大幅に乱れていることが問題なんだ。
健康的な食事をする上で大切なのは、それぞれの脂肪酸の機能や必要量を理解した上で、使う食用油を使い分けたり、摂取量を調整したり、調理方法を工夫することなんだ。

 

 


 不飽和脂肪酸

植物性の食用油に豊富に含まれていて、常温では液体になります。
※主に植物性で液体のものは“油”と書きます。
動物性でも、魚介類に含まれるEPAやDHAは常温で液体であり、不飽和脂肪酸になります。
不飽和脂肪酸には、血中の中性脂肪やコレステロールの量を調節する働きがありますが、種類により機能や日常生活での摂取量が違い、又、豊富に含まれる食用油も異なります。
不飽和脂肪酸は、以下の3つに分類されます。

 

🔴  体内で作ることができない多価不飽和脂肪酸
  オメガ6系 ・・・ リノール酸・アラキドン酸
  オメガ3系 ・・・ DHA・EPA・αーリノレン酸

 

🔴  体内で作ることができる一価不飽和脂肪酸
  オメガ9系 ・・・ オレイン酸

 


  リノール酸(オメガ6系)

7血中の中性脂肪を下げ、コレステロールを減らす働きがあります。
ただし、長期に渡る過剰摂取は、アレルギーや脳梗塞、心筋梗塞のリスクを高めます。
体で作ることができない不飽和脂肪酸ですが、カップラーメン・スナック菓子・マヨネーズ等の加工食品やフライドライドポテト他見えないところで多く使われているため、現代人は知らないうちに過剰摂取となっています。
◆多く含まれるもの◆ 
調合サラダ油・コーン油・大豆油・綿実油・上記食用油を使用した加工食品・冷凍食品


 

  オレイン酸(オメガ9系)

7血中の善玉コレステロールはそのままで、悪玉コレステロールだけを減らす働きがあります。
又、不飽和脂肪酸の中で最も酸化しづらく、他に比べ、ガンや動脈硬化などを引き起こす過酸化脂質を作りにくい性質を持っています。
熱に強いため、炒めもの等の加熱調理に向いています。
体内でも作られますが、リノール酸の代替として使うことで健康効果が高まります。
◆多く含まれるもの◆ 
オリーブオイル・べに花油・キャノーラ油・米油

 

 

 αーリノレン酸(オメガ3系)

 

7体内でDHAやEPAに変換され、血流改善や動脈硬化の予防、抗炎症などに役立ちます。

さらにα-リノレン酸はリノール酸に対して競合的に働き、リノール酸の過剰摂取によるアレルギー症状を緩和します。
体内で作ることができない不飽和脂肪酸で、以前に比べ魚を食べなくなった日本人の食生活においてオメガ3系不飽和脂肪酸の摂取量は大幅に減少していることから積極的に摂取したい不飽和脂肪酸となっています。
ただし、酸化しやすいため、保存期間が短く、又、加熱によりガンや動脈硬化などの原因となる過酸化脂質を作りやすいため、加熱せず、常温
での使用となります。
◆多く含まれるもの◆
アマニ(亜麻仁)油・エゴマ油

 

 

 EPA/DHA(オメガ3系)

7特に魚介類に含まれ、常温で液体となる体内で作ることができない不飽和脂肪酸です。
EPA、DHAとも血液の凝固を抑え血栓を予防する血液サラサラ効果と中性脂肪やコレステロール値を下げる効果があります。
血液サラサラ効果はEPAの方が大きく、一方、DHAは、脳や目の網膜の材料にもなるため、脳の活性化や視力回復が期待できます。
魚介類以外で含む食品は少なく、特に青魚に多く含まれています。
◆多く含まれるもの◆
魚介類(特に青魚)・水産缶詰・魚肉ソーセージ

 

 

 

飽和脂肪酸

7肉類やバターなど魚介類を除く動物性の脂に多く含まれていて、常温で固体となります。
※ 動物性で固体のものは“脂”と書きます重要なエネルギー源であり、血・肉・骨の原料ともなり、不足すると骨や血管がもろくなるなど
の危険性が高まります。
一方、体の中で固まりやすく、消化吸収も遅いことから摂り過ぎるとコレステロールや中性脂肪が増え、血液をドロドロにしたり、蓄積すると体脂肪になりやすく、洋食化や肉食の拡大により現代人は飽和脂肪酸を過剰に摂取している傾向があるため、摂取量に注意する必要があります。
日本人の食事摂取基準でも飽和脂肪酸は、摂取する脂質全体の3割以下に抑えることが望ましいとされています。
◆多く含まれるもの◆ 
肉類・ラード・バターほか乳製品

 

 

7飽和脂肪酸と言えば通常は長鎖脂肪酸のことを指しますが、飽和脂肪酸には分子が短い中鎖脂肪酸もあり、他の脂質に比べ、すばやく消化・吸収され、すぐにエネルギー(約4倍の速さ)になるため、体に溜まりにくい特徴があります。
効率的なエネルギー源で、体脂肪になりにくい点から、ダイエットなどのエネルギー補給に適しています。
◆多く含まれるもの◆ 
MCTオイル・ココナッツオイル

 

 

 

 トランス脂肪酸

🔶 トランス脂肪酸は、主にマーガリンやショートニングなどの油脂の加工・精製の工程で人工的に合成される不自然な不飽和脂肪酸です。

🔶 トランス脂肪酸については、食品から摂取する必要がないと考えられており、摂り過ぎた場合、血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあり、心臓病のリスクが高まるとされています。

 ただし、健康へ悪影響を及ぼすのは、あくまで摂り過ぎた場合であり、どんな栄養素も過剰に摂取すれば、健康リスクは高まります。

🔶  欧米では、トランス脂肪酸が含まれる食品を全面禁止している国もありますが、その原因は、欧米人は脂質の摂取量が多く、天然由来のものも含めてトランス脂肪酸を過剰摂取しており、日本人の摂取量より大幅に多いことです。(オーストラリア2倍、米国8倍、EU2~7倍)

日本人のトランス脂肪酸の平均的な摂取量は総エネルギー摂取量の約0.3%で、国際機関が設定している目標値である総エネルギー摂取量 の1%以下を大きく下回っており、通常の食生活では健康への影響はほとんどないとされています。
又、市販商品のトランス脂肪酸含有量も以前に比べると大幅に減っています。

🔶 但し、飽和脂肪酸摂取量は微増傾向にあり、日頃からトランス脂肪酸だけでなく、飽和脂肪酸 も含め脂質の摂取量に注意する必要があります。

どんな栄養素だって、摂り過ぎると毒になるぜ!
トランス脂肪酸だけが問題ではなく、脂質全体で過剰摂取 にならないことが大切だぜ。

3.コレステロール

🔶 コレステロールは細胞の働きの調節や栄養素の吸収などに関わっており、全身の細胞膜の成分となります。

又、数種類のホルモンの生成を促し、脂肪の消化を助ける胆汁酸を作る際にも役立つため、体内には常に一定量のコレステロールが保たれていなければいけません。

🔶 コレステロールの7~8割は体内(主に肝臓)で合成され、2~3割は食事で食品から摂取していますが、健康であれば、食品から摂取するコレステロールの量が多ければ、肝臓で作られるコレステロールの量が減少し、摂取量が少なければ、作られる量が多くなるように、肝臓で作られるコレステロールの量は、調整されています。

 

🔶 コレステロールは「善玉コレステロール(HDL)」と「悪玉コレステロール(LDL)」の2種類に分けられますが、コレステロールとしての成分・構造に違いはなく、体の中での動きの違いにより分けられています。
コレステロールは、血液で全身の組織に運ばれます。
その際、リポタンパク質と結合しますが、このコレステロールを運ぶ船とも言えるリポタンパク質の大きさにより動きが異なり、善玉と悪玉に分けられているのです。

 

🔴  善玉コレステロール(HDL)
血管にある余分なコレステロールを肝臓に戻す「掃除・回収係」の役割を持っています。
善玉コレステロールがコレステロールを回収してくれることで、動脈硬化の防止につながります。
分子量の大きいものが善玉コレステロールとなります。

 

🔴  悪玉コレステロール(LDL)
肝臓から全身の細胞にコレステロールを届ける役割を果たしていますが、細胞に必要以上にコレステロールが増えてしまうと、使われずに残った血液の中にある過剰なコレステロールが動脈の壁に次々と入り込み、動脈硬化の原因となります。
そのため、「悪玉」と呼ばれています。
分子量の小さいものが悪玉コレステロールとなります。

 

【コレステロールの善玉と悪玉の違い】

➊ 食事2~3割 ➋ 肝臓7~8割 ➍ 善玉コレステロール ➎ 悪玉コレステロール ➏ 血管 ➐ 余ったものは急いで運ばなきゃ危ないよぉ~ ➑ 大分溜まって血管が細くなってきたぞ  ➒ また肝臓から持って来たぜ♪ ドンドン来るぜ・・・ 

7コレステロールはLH比と呼ばれておる悪玉と善玉のバランスが大切なんじゃ!
健診結果をよく見ることお伝えするのじゃ!

 

 

3.中性脂肪

 

🔶 中性脂肪は分解され、脂肪酸となって使われますが、余ったものは再度合成されて体脂肪(皮下脂肪、内臓脂肪)になり肥満症や脂肪肝の原因となります。
又、血液中に残るものが多くなると、脂質異常症他の生活習慣病の原因となります。

 

🔶 中性脂肪は余った炭水化物からも合成されます。

➊ 脂質 ➋ 中性脂肪 ➌ グリセリン ➍ 脂肪酸