ダイコン

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■ 八百屋さんのメッセージ

旬の食材の好脇役、消化酵素が豊富で殺菌効果もある家庭の常備薬

 

 

 ダイコンの概要と特色

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👨‍🌾  淡色野菜根菜類 👩‍🌾

🔶 ダイコンは、食卓によく並ぶ野菜の一つで肉や魚介類のクセを消しつつ、うま味を吸収するため、ボリュームのあるおかず作りに役立ちます。
「焼き魚にダイコン」は定番ですが、ダイコンは魚のおいしさを引き立てるだけでなく、リパーゼなどの酵素を含み、魚特有の脂肪分を分解する役目もあります。
さらに刺し身のツマも辛味成分の殺菌効果で、刺し身の品質劣化を抑制しています。
売場に並ぶものの約98%が「青首ダイコン」と呼ばれる品種と言われ、全国で産地を移動しながら、一年中収穫・出荷されています。

🔶 主要産地は千葉県・北海道・青森県・鹿児島県・神奈川県・宮崎県・茨城県などです。
出荷される時期によって、春ダイコン(4~6月)、夏ダイコン(7~9月)、秋冬ダイコン(10~翌3月)に区分され、春~秋冬のダイコンは暖かい千葉県・神奈川県・鹿児島県を中心に、夏ダイコンは冷涼な北海道・青森県を中心に生産されています。
春ダイコンは、辛味が比較的強く、大根おろし・サラダなどの生食や漬物に向きます。
夏ダイコンは、春ダイコンに比べ辛味が強く、少し硬くなるため、大根おろし・サラダなどに加え炒めものに向きます。
秋冬ダイコンは、水分が多いため、みずみずしくて柔らかく、甘味も増し、繊維が柔らかく、崩れにくいため、おでんなど煮ものに向きます。

🔶 ダイコンの旬は11~翌2月と言われています。

 

 

 

 

 色々なダイコン

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🔶 一般的に販売されている大根は青首ダイコンですが、全国には古くから栽培されているものを含め200品種を超えるダイコンがあります。
🔶 聖護院大根(京野菜)、練馬ダイコン、三浦ダイコン、桜島ダイコンと言ったものの他にも赤いダイコンやサラダ用に特化したダイコンもあります。
今回は、日頃目にする機会があるダイコンの仲間についてのみ解説します。

 

 聖護院大根 
京都発祥の丸いダイコンで代表的な京野菜ですが、現在は全国で栽培されています。
肉質がきめ細かで柔らかいのに煮くずれせず、とろけるような口当たりで、辛味や大根臭さが少なく、甘味があり、煮ものに最適で、野菜スティックにも向いています。
但し、水分が多いため大根おろしには向きません。
旬は、12~1月となります。

 

 辛味ダイコン
🔶 辛味ダイコンと呼ばれるダイコンは小ぶりで辛味が強く、水分が少ないダイコンの総称で、「辛味大根(京野菜)」「親田辛味大根」「ねずみ大根」
「辛いね大根」「カザフ大根」など地方色豊かで赤色、緑色のものなど様々なものがあります。
🔶 おろした時にベチャッとせずせず、水分でつゆが薄まることがないため、「そば」や「うどん」などの薬味としてよく使われます。
皮ごとおろすと、さらに辛みがアップします。
とても辛いため、普通の大根のような料理には使えません。

カザフ大根    辛いね大根      辛味大根          辛味そば

 

 かいわれダイコン
🔶 ダイコンの種を暗所で水耕栽培し、発芽して双葉(フタバ)が開いた時に光を当てて緑化したもので、スプラウト(発芽野菜)の一つで、緑黄色野菜となります。
🔶 単に「かいわれ」とも呼ばれます。
🔶 大根特有の辛みがあり、生のままサラダや薬味・料理の付け合わせ・汁物の具・麺類のトッピングなどに使うほか、おひたし・和え物にも使います。

 

 ラディッシュ
🔶 二十日(ハツカ)大根とも呼ばれ、赤カブに似ていますが、ダイコンの仲間です。
🔶 20日程度で食べられるようになるダイコンで、柔らかく、生のまま、葉まで食べることができます。
🔶 サラダ・バーニャカウダ・漬もの(ピクルス)などに使われ、加熱してもおいしく、炒めものやスープなどにも加えられます。
🔶 3~11月に栽培されますが、旬は4月中旬~6月と10~12月上旬とされています。

 

 

 

 

ダイコンの選び方

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 全体に張りとツヤがあるもの

 まっすぐ伸びて、太いもの

 ズッシリと重いもの

 緑と白のコントラストがはっきりしたもの

 カットされたものは断面がみずみずしいもの

 

 

 大根の甘い辛いの判断材料(参考)

      ➠ 凹みの並びを見る

 

甘めのダイコン
凹みがまっすぐに並んでいるもの

 

 辛めのダイコン
凹みが斜めにねじれているもの

 

 

 

● Sweet:甘め ●Spicy:辛め

 

 

 

 

 部位ごとの特徴

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🔶 ダイコンは部位ごとの特性の違いが比較的大きく、用途によって使い分けることでより楽しめます。

        ➊上部            ➋中部        ➌下部

        水分多                                  水分少

          やや硬い            柔らかい   硬い

    甘い                                        辛い

 

 

上部
🔶 水分が多く、みずみずしくて甘味が強い。

🔶 食感が良くて生食向き
・サラダ ・野菜スティック ・大根おろし (辛味弱め・みぞれ煮)など

 

中部
🔶 柔らかく、甘味と辛味のバランスが良い。
     みずみずしくて甘味が強い。

🔶 大根本来の味と食感で煮物向き
   ・おでん ・煮物 ・ふろふき大根 他オールマイティ

 

下部
🔶 水分が少な目で、硬く、辛味が強い。

🔶 辛味が強く、繊維質 薄切り
・みそ汁 ・煮物 ・大根おろし (辛味強め・薬味) など

 

葉は緑黄色野菜で、β-カロテンなど大切な栄養素が豊富です。
健康維持に有効に利用しましょう。
炒めて「きんぴら」にすると、油でβ-カロテンの吸収が促進されます。
その他「味噌汁」の具にも使われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイコンの保存方法

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🔶 大根は常温・冷蔵・冷凍どの保存方法でも保存が可能です。
🔶 涼しい季節は常温保存、気温の高い季節は冷蔵保存、長持ちさせ、便利に料理するなら冷凍保存と、使い分けると良いでしょう。

 

 丸ごと保存する場合

🔶  葉がついている場合は、切り分けます。
 *葉がついていると水分が蒸発しやすく風味がなくなります。
 *葉は痛みが早いため、食べる場合は、早めに料理する必要があります。

 

🔶  乾燥しないように新聞紙などで包んで、冷暗所などに立てて保存します。

 

 カットして保存する場合
🔶  半分又は3等分に切り分けます。

🔶  乾燥しないようにキッチンペーパーなどで包んだ後、フリーザーバックなどに入れるか、ラップで包んで、野菜室で保存します。

 

 冷凍保存する場合
🔶  使いやすい形に切ります。

🔶  空気に触れないようにフリーザーバッグなどに入れて保存します。

🔶  使う時は解凍せず、そのまま加熱します。 

 

 

冷凍すると早く煮えて

(柔らかくなり、味が染み込む)
料理の時短になります。

●家庭用冷蔵庫で緩慢冷凍し、そのまま加熱
 ➠ 急速解凍によって細胞壁が壊れることで
 柔らかく、中まで味が染み込みやすくなります。

 

 

 

ダイコンの健康効果

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🔶 約95%が水分のダイコンは、葉以外の部分は、淡色野菜で、含まれるビタミンやミネラルの量は多くありませんが、大根に特有の成分による効果として以下があげられます。
どちらの効果も大根おろしなどの生食によってその効果を発揮します。

根の健康効果は生食で発揮されるのよ!

 

 消化酵素が豊富
🔶 アミラーゼ(デンプンを消化)・プロテアーゼ (タンパク質を消化)・リパーゼ(脂質を消化)の 3つの消化酵素を含み、胃腸の働きを助けます。
🔶 特に大根おろしにすることでその効果が高まります。

 殺菌・解毒効果
🔶 辛味成分のイソチオシアネートには、殺菌・ 解毒作用の他に血液サラサラ効果も期待できます。

 

 

 

 

 料理のヒント

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大根おろしの辛さ加減の調整

部位で調整
 🔶 前述の通り、上(葉側)より下へ辛くなるため、使用する部位で辛さを調整します。
  *薬味として使う場合は、下(先っぽ)の部分、上(葉側)は、みぞれ煮など加熱してダイコンの甘味も味わう料理に向いています。 

 

おろし方で調整 

【辛さを抑える場合】
ダイコンを「の」の字を描くようにしてゆっくりと すりおろします。

【辛さを強くする場合】
力を入れて、大根を上下に 強く動かしてすりおろします。
※ 繊維がつぶれ、水分と一緒に辛味成分が多く流出します。

 

おろした後のしぼり方
🔶 しぼり過ぎるとパサつき、辛み成分が流出し、風味がなくなります。
🔶 しぼった大根おろしをザルに入れ、押し当てるように軽く水気をしぼります。

 

 

 

煮込む料理の下ごしらえ

 

 面取り
ダイコンなどの根菜類・いも類を煮込むために乱切り・角切りにした場合、野菜の切り口の角をごく浅くそいで、丸くすることで煮崩れを抑え、火の通り、味のしみ込みを良くします。

 

 隠し包丁
味のしみこみや火の通りをよくするために、包丁で切り込みを入れます。


このひと手間で断然違うよ♪